「夏になったら、泳げるね!」
「そうだな。
早く降りろ。置いてくぞ」
煌くんは、鼻で笑いながらそう言った。
わたしは、置いていかれたくなくて、急いでバイクを降りて、ヘルメットを外した。
煌くんは、わたしの手を握ると、何も言わずに歩き出した。
というか、今さらだけど、バイクがいっぱい。
数え切れないくらいのバイクが置いてあった。
こんなに人がいるの?
「「「「総長、ちわっす!」」」」
倉庫に入ると、教室と同じように一斉に挨拶をされる、煌くん。
煌くんは、軽くあしらって奥へと進む。
わたしに向けられる視線が………痛い。
どこの女だ?
総長とどういう関係だ?
声はしないものの、わたしを見る瞳が、そう言っているように感じた。



