すると、バイクは海沿いの道路に出た。
「うわぁ、煌くん!海だよ!!」
運転する煌くんに、大きな声で話しかけた。
「楽しいか?」
「うん!!」
わたしが返すと、煌くんは優しく笑って、「後少しだ」と言った。
海を見ながら煌くんの腰に回す腕に、自然と力が入った。
楽しいな………
煌くんは、わたしにいろんなことを感じさせてくれる。
ありがとう…………
「着いたぞ」
考え事をしていると、いつの間にかついていたみたい。
これが、倉庫?
倉庫はわたしが想像していたものより、遥かに大きかった。
トタン張りの倉庫だった。
昔に建てられたのか、見た目はボロボロ。
近くには、浜があった。



