愁さんの視線の先には煌くんがいた。
「まだ、そのことは話してねぇ」
「はあ……やっぱり。
まあ、いいや。俺から説明する」
愁さんはまた、わたしに視線を戻して、話し始めた。
「倉庫は鬼翠の基地みたいなものだ。それは、わかる?」
「うん」
わたしは、コクリと頷いた。
「他の暴走族にも倉庫みたいな基地があって、攻めに行くときにはだいたい、倉庫を狙う」
ってことは………
「倉庫には危険もあるってこと?」
「そういうこと。
まあ、滅多にないけどね。
他には、集会をしたり、みんなでバーベキューしたりするくらいかな。
倉庫に行ってみる?」