恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】




煌くんに引っ張られて、歩くわたしには、それしかいうことができなかった。




そして、わたしと煌くんは黄色い声援の中を突き進み、屋上へと向かった。





ギィィ……と古そうな音をたてる扉を開けた先に、愁さんと篤斗くんがいた。




「やあ、愛依ちゃん。昨日ぶり」



「こんにちは、愁さん、篤斗くん」




とりあえず、二人に向けて挨拶をした。



「愛依ちゃん、制服似合うねぇ〜」




可愛い篤斗くんに言われると、少し照れてしまう。




「あ、そうだ。
篤斗くん、ありがとう。
学校に通えるようにしてくれて」




理事長に頼んだのは、息子である篤斗くんだとばかり思っていたけど…………




「僕、あんまり関わってないよ?」



意外な言葉が返ってきた。