煌くんは既に、席に座るわたしの真後ろにいた。
「煌くん………」
「煌さん、ちわっす」
わたしが煌くんの名前を言うと、横から煌くんに挨拶をする声が聞こえてきた。
「龍くん?」
わたしの隣の席の住人だった。
「龍毅のクラスだったか」
「えっ?煌くん、知り合い?」
「ああ、龍毅も鬼翠のメンバーだ。
しかも、幹部」
そうだったんだ…………
幹部って……偉い人なんだよね………
「龍毅、俺が見てねぇ間、愛依を頼む」
煌くんは、わたしの頭をなでながら、言った。
「わかりました」
煌くんのお願いに快く返事をする龍くん。
わたしに対する態度と正反対!
少し、ムカッときた。



