「い゛った…………」



煌くんを見ながら考え事をしていると、いきなり髪を引っ張られた。




誰……?と、考えることもない。


犯人は、一人しかいない。



まだ捕まれている髪の先を見ると………やっぱり、龍くん。





「なに、やってんの?痛い!」



「この髪……邪魔………」




そう言われ、考える。



もしかして、窓の方を見たとき、髪が当たった?




「ご、ごめん」




わたしが謝ると、龍くんは少し驚いた顔をして鼻で笑った。




「お前……馬鹿だな」




は?


謝ったのに……馬鹿って何?




「龍くんって………やっぱり優しくない」



「はいはい」




嫌みたらしく言ってみるけど、わたしが言っても痛くも痒くもないみたい。