-YH side-

これでいい。
これで何も未練もない。
後悔なんてしてない。
あいつらが幸せならそれでいい。
あいつらが笑っていれば俺は幸せだ。

手紙を書いてそれをテーブルに置いた。



親愛なるキム・ジェジュン。


今まで本当にありがとよ。
もう少しだけ…お前らと居たかった。
けどそれは赦されない。



すまない。みんな。

こんな俺を赦してくれ…


「ユノ兄?」

リビングで立っていた俺を不思議に思ったんだろう。

「あぁ…どうした」

「それはこっちのセリフですよ。なんですかそのみっともない顔」

「なんだよそれ」

「見たままを言ったんですけど?」

いつまでたってもチャンミンは毒舌だな。そんなことを思った。
この毒舌ももう聞けないんだな。そう思うと何故かちょっぴり寂しい気持ちにもなった。けどあいつらの幸せを選ぶなら俺は居なくなった方がましだ。

「酷い言い方だな。はは…。あぁチャンミン」

俺はチャンミンに近付き抱き締めた。

「なんですか!?気味が悪い。ちょ。離してください。僕はそういう趣味はありませんから!!」

シタバタするチャンミンをこれでもかってぐらいに強く抱き締める。

「チャンミン。こんな兄ですまない。ジェジュンを…ジェジュンを頼む…」

それだけ言うとチャンミンを離し自分の部屋へと戻る。はぁ?っとチャンミンが言っていたが気にしない。

自分の部屋に戻り部屋全体を見渡した。
そして自分の手に嵌めてあったジェジュンとのお揃いのリングを1回口づけてから箱にしまった。

そしてジェジュンの部屋へと向かった。
部屋に入るとスヤスヤと気持ち良さそうに寝ている。
ベッドに腰を掛けジェジュンの髪を撫でる。撫でていると不意に眼が熱くなった。

「ジェジュン…」

すまない。本当にすまない…

そして俺はジェジュンの唇に自分の唇を重ねた。

「じゃあな…笑ってろよ。キム・ジェジュン…愛してる…」

そして俺は住み慣れた家を後にした。