「あのっ…私…変な誤解したうえに幸斗にひどいこと言ったよね。ごめんなさい。」

幸斗は私の手を握った。その手はとても暖かくて…幸斗の体温を感じた。

「誤解させた僕も悪かったよな。でも言っただろ?僕は葵ちゃんを裏切らない。絶対にね。」


そうだった。幸斗はずっと私のことを大切に思ってくれたのに。

幸斗を傷つけたのは私だ。


本当に申し訳なかった。


「ごめんなさい。幸斗を救うって言ったのに傷つけて。最低なのは私だよね。」

幸斗は私の頭を撫でてくれた。
猫の頭を撫でるように優しく撫でてくれた。


そんなことでさえ幸斗は優しいんだって思う。なんで今更なんだろ。


もっと早く気付けば良かった。幸せはこんなにも身近にあったんだね。


「大丈夫。葵ちゃん、僕のこと信じられる?」

うん。

今なら自信を持って言える。

「うん。」