そして静かに扉を開けるとそこにはベッドに横になっている幸斗ともう一人。
幸斗に付き添っている高橋先生の姿があった。
その光景を見たとたん亜美も私も固まってしまった。
私たちの姿に気がついたのは高橋先生だった。
「あらつ、亜美ちゃんに葵ちゃん。幸斗のお見舞いに来てくれたの?」
高橋先生…今幸斗って。
幸斗って呼んでた…やっぱり彼女…なの?
私たちが何も言わないでいると不審に思ったのか幸斗が声をかけてきた。
「誰から聞いたんですか?」
その言葉に反応したのは亜美だった。
「岸井先生から聞きました。」
私は何も言わなかった。
よく見れば高橋先生は白衣姿。
戻らなくていいのだろうか。
私がそんなことを思っていると高橋先生がこちらに近づいてきた。
「幸斗と話したら?」
そう言った高橋先生はすごく笑顔だった。まるで自分に自信があるかのように。

