「岸井先生~質問でぇす!!最近佐武先生はどうしたんですか?」
亜美のその言葉に一瞬岸井先生の表情が変わった。
厳しい表情だった。
そして考えるように無言になった。
「佐武先生…どうかしたの?」
私が聞くと岸井先生は“うーん”と言ってまた考えていた。
しかし決心がついたのか私たちに話してくれた。
「これは言っていいことか分からないんだが…葵ちゃんが自殺未遂した日に佐武くんは倒れたんだ。」
えっ…?
岸井先生のその言葉に私も亜美も信じられなかった。
嘘…倒れた?
私が自殺未遂した日に…?
「岸井くんは今、三階に入院しているよ。」
それを聞いて亜美が
「行こう、葵!」
と言った。私も行きたかった。
幸斗のことが心配だった。
「うん。」
私と亜美は岸井先生から幸斗の詳しい病室を聞いて私の病室を出た。
私の病室は二階。
近くにある階段を登って幸斗の病室を探した。
幸斗の病室は305号室。
一部屋、一部屋確認しながら歩いて305号室を見つけた。
「あった、ここだ!!」
扉のプレートを確認すると確かに佐武幸斗とかかれていた。
病室に入る前に一呼吸して亜美と目をあわせた。
そしてコクリと頷くと、亜美が扉をノックした。

