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頭が痛い。それに、耳が異様に痛い。
「葵ー葵ー葵ー!!!!」
そんな声が私の耳元で繰り返されている。
えっ…。
これはもしかして…。
はっ。
嘘…死ねなかったんだ。
なぜか目を覚ますと手首には真っ白の包帯。そして目の前には幸斗や看護士の坂口さん、そして岸井先生の姿があった。
みんな心配そうに見つめていた。
私も亜美みたいに死ねなかったんだ。
私にも神様がいたんだね。
今の私はすごく惨めだろうな。
そんなことを思っていると、岸井先生が口を開いた。
「葵ちゃん、何があったんだい?」
優しい言い方だったけど、顔は真剣だった。
それもそうだよね。
私…自殺未遂なんだし。
「なんで死ねなかったの?なんで助けたのよ!!」
ほんと…なんで生きてんのよ。
手首の傷は痛いし。
「葵ちゃん、何で死にたかったの?」
幸斗が聞いてきた。今の私としては一番好きで一番嫌いな声。
「私は死にたかったの!!人生に疲れたの!!何で…死ねないのよ。」
私がそう言うと、先生たちはみんな悲しそうな顔をした。
その中で幸斗が
「少し、2人きりにして下さい。」
と言ったから岸井先生と坂口さんは病室から出て行った。
幸斗と私だけの病室。
長い間、沈黙が続いた。
…。
私もこんな気まずい中しゃべりたくはなかった。
それに…なんて言えばいいのか分からなかった。

