「私、大好きだった友達に殺されそうになったんです。道に放り出されて事故にあって。その子に彼氏も取られて。」
「いいわよ。続けて。」
「退院して家に帰ったらいじめられてる子から死ねとかいうメールが来てて。学校にも行けなくなって。今思えばあのまま死ねば良かったって思うんです。」
「もう言いたいことはない?」
「悔しいんです。私、その子達に何もしてないのに何でそんなこと言われなくちゃいけないのか。ほんとわかんなくて。」
「全部話したらスッキリしたでしょ?」
「はい。」
「葵ちゃん、生きてる理由がわからなくなったら今みたいに私のところに会いにきて。いつでもいいから。毎日でもいいわよ。」
「毎日?」
「そう。亜美ちゃんなんかは毎日来てるわよ。亜美ちゃんは葵ちゃんのいい話相手になると思う。」
「でも私、すごくネガティブですよ?」
「葵ちゃん、もう自分のことは責めてはダメよ。今日言えるのはここまで。じゃあまた明日会おうね。」
「はい。また明日来ます。」
「あっ、帰りに佐武先生に会いに行ったほうがいいわよ。」
「えっ、はい分かりました。」
そう言って私はカウンセリング室を出た。
なんか身体が軽くなった気がする。

