そんな私の病室に佐武先生が入ってきた。
「何か用?」
「葵ちゃん、眠くないんじゃないですか?」
「だったら何よ?」
「良かったら、僕の話聞きませんか?」
「話?」
「はい。僕の学生の頃の話なんですけどね。」
佐武先生の学生の頃の話ねぇ。
きっとすごく真面目でしたって話でしょ?
「まぁ、僕は真面目だったんですね。」
やっぱりね。
だいたい想像してたわよ。
「でもある日、彼女が出来たんです。」
彼女ねぇ。
まぁ、佐武先生も少しはイケメンだから別に彼女がいてもおかしくはないか。
「それで、その彼女が不良で僕も不良になったんです。」
「えっ~~!!」
「しっ~!」
だって…この佐武先生が不良って。
イメージつかないもん。
ってか何で不良なんかと付き合ったの?
「僕はその子に毎日夢中だったんですね。どんどん好きになってって。まぁ、それが恋なんですけどね。」
「ふーん。それで?」
「でも、その子に裏切られたんです。」
「えっ?」
裏切られた…。

