そして戻ってきた佐武先生の手には何やら持っていた。
「これ良かったら食べて下さい。」
えっ…。
焼きそばパン…?
今、私の目の前にはコンビニとかで売ってる焼きそばパンが…。
「これどうしたの?」
「本当は僕の夜食なんですけどね。遠慮しないで下さい。」
「夜食?」
「はい。今日は当直ですから。」
ハハハって笑いながら言う佐武先生。
「私が食べたら、あんたの分なくなっちゃうじゃん?だったらいらない。」
「大丈夫ですよ。一応カップラーメンとかもありますから。ほら、食べて下さい。」
「あんた他の患者にもこうしてあげたりしてるの?」
こいつのことだからあり得る。
「無いですよ。それにみんな病院食食べてくれますから。」
「何それ嫌み?」
「あつ、違います!葵ちゃんだけ特別ですよ?」
グゥ~~~。
「あっ。」
「ほら、お腹空いてるんでしょ?僕には遠慮せずどうぞ。」
“まだ仕事残ってるんで失礼します”
って言って焼きそばパンを残して出て行った。
本当に食べていいのかな。
グゥ~~。
あっ。

