「もう行かなくちゃ。」
パパとママが迎えに来る時間になった。
私が顔を上げると、幸斗は一枚の紙切れを渡してきた。
「俺の連絡先と住所だから。ストーカーはしないように!!」
っなッ。
「ストーカーなんてしません!!!!」
「俺、一人暮らしだからいつでも待ってる。」
「うん。」
幸斗は玄関まで送ってくれた。
玄関に行くと岸井先生に坂口さんを始めとする看護士さんたちが集まっていた。
もちろんママやパパも。
「葵、ご挨拶しなさい。」
「ありがとうございました。」
「本当にお世話になりました。」
「葵ちゃん、元気でね。」
「はい。」
「では失礼します。」
私たちはお見送りに来てくれた先生方にお礼を言って車に乗った。
今日でもう先生方ともお別れ。
悲しいけど、自分の道に向かって歩いて行かなくてはいかない。
そのためのサヨナラなんだ。
そして、また会う日まで。
夢を叶えて戻るその日まで。

