さっきと同じく、レゲエの曲がかかる。
「うぃー」
「ついた」
「いまいくわ」
そして彼は、またすぐに電話を切った。
普通は女が切ってから男が切るもんじゃないかと、あたしは思っている。
三番出口の階段を登って外に出たら、ちらほらと雪が降っていた。
握りしめた携帯から、大音量でレゲエの曲が聞こえてたきた。
知らない番号からの着信。
きっとこれから会う男。
「はーい」
「もしかして豹柄?」
「そだよ」
「右見てみ?白い車だから」
電話を切りながら右を見てみると白いセダンに乗った金髪の男が一人…こちらを見ていた。
ここからじゃ顔までは見えないけど、あたしの大好きなオラオラ系に間違いない。
白いセダン車の助手席のドアを開けた。
「こんにちわ?」
なぜか疑問系になったあたしを見た男の顔は、はっきり言ってあたしのタイプではなく、イケメンかと聞かれたらイケメンでもない…だが、ブスかと聞かれたらブスでもない…。
でも、普通でもない。
どっちかと言えば、普通よりのブスだと思う。
