すべての説明を終えたあたし達は会計へ向かった。
「先に車戻ってな?」
いつだって優しく、あたしの事を考えてくれていたママ。
この時になってその優しさに気付いた。
ママが車に戻ってきてからも、なんでこうなったのか…聞いてはこなかった。
それはそれでほっとしたけど、同時にほっとかれているという気持ちがあたしを襲った。
仕事も1ヶ月休みをもらったあたしは、家についてからゴロゴロしていた。
「ママ仕事行くからもらった薬塗りなよ」
そそくさと出ていったママの背中をあたしは、ボーッと眺めていた。
雄平くんに電話をするのを思い出したあたしは、携帯を右耳に押し当てた。
いつものようにレゲエの曲が流れ出す。
この曲を聞くと、あぁ、彼は傍に居る…って思えた。
なぜかわからないけど、この時から彼が居なくなるような気がしてたまらなかった。