産婦人科なんて行ったことないから不安だらけで、この時に性病かもしれないと気が付いた。
「…はい」
「雄平くん?ほのか性病かも」
「あ?」
寝起きなのかわからないけど、不機嫌なのは確かだった。
ママとの会話を説明して、産婦人科に行くことを伝えた。
「性病だな。ごめんなぁ…俺のせいで」
「なんで?やりたいって言ったのほのかだもん」
この日、初めて彼の弱々しい声を聞いた。
俺のせいで…と自分をせめる彼だけど、少なくともこの時だけは、雄平くんを恨んだよ。
「明日また電話して」
そう言って電話を切った。
性病はこんなに簡単になるものなのだろうか。
雄平くんからいろんな話を聞いていても、性の知識なんてほんのちょっとだからわからなかった。