進路相談室に呼び出され、向かいあって座る。


「わかってると思うけど、高校行けないぞ?」

「なら働くかなー」

「とりあえず高校は出ろ!出席日数と遅刻を少なくしないといけないけどな」


朝が大の苦手なほのかが、朝から学校なんて無理だ。

朝起きてることじたいが珍しいくらいだ。
早起きなんて絶対無理。

でも前に、カウンセラーの先生が朝から遅刻せずに学校に来て、そのあとは帰っても出席にはなるからと言っていた。


「あ、前にねねさんが朝から学校来てそのあと帰っても出席になるって言ってたけどさ…」

ねねさんとは、カウンセラーの先生で毎週水曜日に来ている。

1年の時から何回もお世話になっているから、仲良しだ。


「まあ、それでもいいけど…」

「じゃぁそうする!
てことで帰るわ!じゃね」

「あ、おい高杉!!!!!」

担任の声を背にあたしは廊下を走って教室に向かった。

勢いよく開けたドアの音に注目されたが、気にせずカバンを持ってあたしは帰った。