「さぁて、れま保育園行こっか」

れまを抱き上げて、カバンを持ち玄関へ向かった。

4月の空気はなんだか新鮮な気分になれるから好きだ。


れまを保育園に送ってから、あたしは学校へ向かった。
のんびり歩きすぎたせいか、時刻は8時半をまわっていた。

今さら焦ったって遅刻にはかわりないから焦る必要もない。


学校について向かうのは、3年5組の教室。
2年からの持ち上がりだから、担任もクラスメートも変わらない。


「遅刻したー」

ちょうど朝学活の時間に教室についた。


「いきなり遅刻か高杉」

「いろいろあってさぁ」

「まぁ、とりあえず今日は帰るなよ」

「うぃーす」


クラスの視線はずっとあたしに向いたまま。

誰一人として、あたしと友達になろうなんて思う人は、少なくとも同学年ではいない。