どこに居るのか、わからない君へ。




あたしは部屋に戻り化粧直しをして、れまと家を出た。

ちょうどきたバスに乗って、街を目指した。

端から見たら親子に見えるんだろう。


「ほー、ちゃん」

「なした?」

「ぁう…」

れまが指差したほうには、ヤンキーが5人バスに乗ってきた。

それも、あたしが一番嫌いなヤンキーグループ。


「大丈夫だよ…怖くないからね」

そっとれまを抱き締めたあたしはヤンキー達に視線をあわせた。


「ほのかじゃん?」

「久しぶりだね」

はっきり言ってこのヤンキーグループはタチが悪い。


「てか、なに?
今度はガキ生んだの?」

「ガキも何も妹だから」

「へぇ…中絶した奴がよく言うよな」


そう言い残したヤンキー達は、あたしからはなれた席に座った。



中絶…。
あたしは、中1の時に中絶をしている。
その頃から地元では有名だった。

無表情で冷めている…滅多に笑わない女として、あたしは地元でも有名だけどもう1つは、中絶で有名だった。