雄平くんの車は乗り心地がいい。
セダン車で名前はわからない。
「この車…」
「ん?
あぁ、クラウン」
「…クラウン」
「VIP車!
俺らみたいなんが乗る車だ」
あたしは一瞬で、VIP車が好きになった。
その中でも一番のお気に入りが、雄平くんが乗ってる17クラウンだった。
「家ついたぞ」
「じゃぁ」
「ゆっくり寝ろよ!
お前、俺の妹みたいだな!!」
あたしは、何も言わずに車をおりた。
雄平くんの何気なく言った一言にあたしは胸が痛くなった。
あぁ…そっか。
あたしは、彼を好きになっていた
絶対に、好きになるとは思っていなかったのに。
どうしてだろう―――…。
妹みたい、じゃなくて…――
1人の女として、見てほしい…。
なんで、なんで…
いつ、あたしが彼を好きになる理由があったんだろう。
妹なんて言わないで…
