「なんの煙草ー?」

「KOOL」


あたしが吸っている煙草はKOOLという銘柄。

あたしは、この煙草の虜になったんだ。


「一つの恋を貫き通す」

「は?」

みんなしてポカーンとした顔をしてあたしを見てる。


「KOOLには、そんな意味がある。まあ、KOOL一筋でいてほしいってことだろうけど」

「だから吸ってんの?」

「うん…もちろんKOOL一筋でいたいし、自分自身も一つの恋を貫き通したいから吸ってる」

「かっこいい女」


ただ、それだの理由であたしは、KOOLを吸っている。


「眠い、帰る」

あたしはソファーから立ち上がり帰る準備をして玄関へ向かった。


「あ、おいほのか!!!!
送るから待てよ」

そう言いながら雄平くんは、あたしのあとを追ってきた。


半ば無理やり彼の車の助手席に乗せられたあたしは、当然不機嫌だった。