どれくらい走ったかはわからないけど、車はでかい一軒家の前にとまった。

家の前には、雄平くんと同じような車が何台もおいてあった。


｢みんな来てるなぁ…俺らが最後だな｣

｢ほのか行っていいの?｣

｢あ?あぁ、お前のこと紹介してもらった時に仲間に言ったら、連れてこいってうるさかったわ｣


あたしの手を引きながら彼は、玄関のドアを勝手に開けてずかずかと入っていった。

中からは、主に男の大きな声が聞こえてくる。
それに混じって小さな女の声も聞こえてくる。


｢緊張するか？｣

｢…別に｣


雄平くんは一つのドアの前でとまった。
きっとリビングだと思われる。


二階建てのこの家は無駄に廊下が長く、一階だけでもいくつも部屋があった。



｢いつも通りな！｣


そう言って雄平くんは、迷わずドアを開けた。