気づくのが遅く、その人影にドンッとぶつかった。
ぶつかった拍子に俺は尻餅をついてしまった。
「っと……すみません」
慌てて立ち上がりぶつかった人を見る。
制服を着ている女子だった。
その制服は俺と同じ学校のものだった。
腰ぐらいまである長い色素の薄い髪を頭の上でくくっている。
『ねぇ。何で泣いてんの?』
目の前の女子は無表情で俺にストレートに問う。
「……直球っすね」
一年では見ない顔。
もしかしたら先輩かもしれない。
『こっち。』
グイッと俺の腕を引っ張る先輩。
そのままスタスタと路地裏まで連れて行かれる。
ってか、ここどこだ……

