――静かなリビング。
時計の秒針がカチ…カチ…とリズムを一切崩さず時を刻んでいる。
誰一人として話さない。
あの後何とも言えない気まずい空気が流れ、綾が『リビングで話そう』と提案して、今に至る。
何も知らない、俺は無関係なのにあんなにでかい声で槇さんに叫んでしまった……
今更後悔……
「……槇さん、さっきはすみません……」
沈黙を破って、俺は槇さんに頭を下げた。
『気にしてない。……あの口ぶりだと、お前、綾の過去知ってんのか』
「……綾に聞きました」
『……そーか』
そう言うと槇さんは黙った。
綾を見ると、泣き止みはしたが、唇を噛んで俯いている。
……泣くのを堪えているんだろう。

