後ろから抱きつく綾の腕を剥がそうとするが、『柚……』と泣きそうな顔をするから。 「おやすみ。綾」 そう言って剥がそうとするのをやめた。 今度は、俺に依存するのかな…… でも……あくまでそれは槇さんの代わり。 俺だからじゃなくて、……誰でもよくて。 あぁ……また胸がキュウッとする。 考えるのは……やめよう。 そうでなきゃわかりたくもないものまで、わかってしまいそうだ。