「――嘘つき。」 もう一度呟く。 嘘つき。嘘つき。嘘つき。 いなくならないって言ったのに。 一人にしないって言ったのに。 槇の、嘘つき。 一度手首切って自殺しようとした。 浅かったから、未遂に終わったけど。 それから高校に入って、あたしは素を出すことをやめた。 これ以上大切な人ができて、その人を失いたくなかったから。 失うのが怖かったから。 そうしてできたのが 『木塚あや』 あたしが作った、表のあたし。