槇がいなくなったその日の前日、お互い部屋に戻ろうとしたとき、槇が 『……ごめんな』 とポツリ呟いた。 「……は?何で謝んの?」 いきなりの謝罪にあたしは困惑した。 槇が謝るのは、滅多にないから。 『なんとなく』 槇はふっと笑って自分の部屋に戻った。 その時のあたしには、その『ごめん』の意味がわからなかった。 次の日には、『ごめん』意味がわかった。