中学でも、なんだかんだ言いながらもいつもあたしの傍に槇はいた。 母親……あの女が買った一軒家にあたしと槇は住んでいた。 高校が県外だったから。 槇とあたしは、友達以上恋人未満。 もはや家族のようなものだった。 これからもずっとそのはずだった。 槇がいなくなったら、きっとあたしは生きていけない。 なのに。 「――嘘つき。」 あたしの部屋で、あたしの声がだけが響く。 誰もいない、隣の部屋に向けて。 槇はいなくなった。 高校にあがる前に。