「……あの、先輩?」 恐る恐る先輩に声をかけると、声をかけられてやっと俺に気づいたのか、はっとしてこちらを向いた。 『……はよ』 その声は不機嫌丸出しの声で。 さっきの不安そうな声とは全然違っていた。 「おはよう……あのさ、槇さんって『腹……減った』 俺が槇さんの名前を出した瞬間、言葉を遮られた。 聞かれたくないことなのかな。 普段の先輩を感じさせられないほど酷く冷たい表情、無機質な声だった。 「今、作るから……」 そんな顔されたら、そう言うしかないじゃんか……