毎晩理性と戦わなくてはならないのか俺は。
思わずうなだれる。
『…ヘタレわんこ、あたしに手出したいの?』
そんな俺を見てにやっと笑う先輩。
相変わらずの意地悪さですね……
「いや、あの…絶対出さないとは限らないし……」
これでも健全な高校生だからね?
まあ手出す気全くないけどね?!
『あたし空手弐段持ってるから大丈夫』
事も無げにさらっとすごい言葉を吐く。
「嘘?!」
『嘘。』
「……」
間髪入れずに返された。
ジト目で睨むと何がそんなに面白いのか、俺の睨みに反応もせずにやにやしてる先輩。
真顔で言われたからちょっと信じた俺って…
本当だったらそれはそれで怖いけど……

