『…本当に?』 「本当だよ」 俺がはっきり言うと、 『よかった』 そう言って綾はふわっと微笑んだ。 雪のこと好きじゃないのは本当だ。 その顔にドキドキさせられているということを、綾は知らないから……。 でも、綾はこの先俺と一緒にいてもいいのだろうか。 俺が何処かへ行こうとするたびに不安になって 俺の姿が見えないと不安になって 俺を探しに出てもし何かあったらどうする? 俺が綾の人生を狂わせてしまう? また……雪の時みたいに? ……そんなの、嫌だ。