今まで人に怒鳴ったことなんてない。 きっと俺が怒ったところでちっとも怖くないと思う。 それでも、怒鳴らずにはいられなかった。 『女の前だからって何カッコつけちゃってんの〜?』 『カオルちゃんのおかげでユキちゃんと遊べたんだよ、ありがとーカオルちゃん♪』 男たちはそう言って車に乗り、何処かへ行ってしまった。 馨を見れば、泣きながら悔しそうに唇を噛み締めていた。 そのまま携帯を取り出し、どこかへ電話をかけた。