『……もしもし』 ≪カオルちゃん俺らのこと覚えてないのー?あんなに酷いことしたのにさぁ≫ 『雪は無事なの?てかどこいんだよ、場所言え』 ≪無視とかひでぇ〜(笑)そーいえば雪ちゃんって初めてだったんだね!こーんなに可愛いのにーーー 『場所言えって言ってんのが聞こえねえのかっ!』 相手の男の声を遮り、馨は大きな声で怒鳴った。 馨がスピーカーにしていて内容は聞こえていたが…虫酸が走る。 でもそれよりも……馨の怒鳴り声を初めて聞いて、怖いと思った。 それほど馨は怒っているんだ。