『柚、この子と知り合いなの?』 綾はムッとして俺のことを睨む。 『先輩が気にするような仲じゃないんで安心してください』 にっと人当たりの良い笑顔を綾に向け、落ち着いた声で話す馨。 嫌味ったらしく聞こえなくて安心したのか、綾は警戒心を解いたみたいだ。 『そうなんだ、ごめんねぇ』 『安藤、教室行こう』 そう言って目の前の男子は馨を急かす。 そんな彼と、俺に、馨は爆弾を落とした。 『安西君、この人が雪の幼馴染だよ』