静かに眠っている柚の手を握ろうと思って 手を伸ばした。 あと少しで触れる、というところで柚の指がピクッと動いた。 反射的に伸ばした手を引っ込める。 「柚っ……柚!」 『……ん゙』 声をかけると、柚は小さく唸ってゆっくり目が開いた。 「柚っ…よかった……」 よかった…目を覚ましてくれて…… 『……綾?』 柚の声を聞いた瞬間気が抜けて、堪えていた涙があたしの視界を歪めた。 「…っ…ごめっ……あたしっ」 謝りたいのに、嗚咽交じりで言葉が話しづらい。 ごめん、ごめんねーーー