正直そこからはあまり覚えていない。
柚のことで頭がいっぱいいっぱいだった。
『死なないで』
それだけを思って。
気づけば柚は病室にいて、あたしも柚のベッドの横に座って眠っていた。
槇にあの後のことを聞いたけど、
あたし全然ダメダメだったみたい……
あたしに話してくれた後槇は病室から出て行った。
まだ目を覚まさない柚の顔色は、倒れていた時よりも大分ましになっていた。
「柚」
もちろん返事はない。
「ごめん」
振り回してばっかりで。
こんなあたしのそばに居させて
「ごめんね……」
それでも、柚を、
「失いたくない……」
でも、柚のためにも
「ばいばいーーーしなきゃいけないのかな……」
最後の方はあまりにも小さくて、機械音で消されてしまった。

