『色々と、落ち着いたから』
「…そっか」
細かく言わないってことは聞きたくない事なのかも。
だからあえて聞かないことにした。
……しばらく無言が続いた。
カチ.カチ.と部屋の時計の秒針の音がやけに大きく聞こえた。
すると、ドスン、と何かが倒れるような音が2階から聞こえた。
「……ゆず?」
どうかしたのかな?物倒しちゃった?
何となく、本当に何となく上に行こうと思った。
あたしが階段へ向かうと、何故か槇もついてきたけど…まあいっか。
トントンとあたしたちが階段を上る音が静かな廊下に響く。
不思議な心地よさを感じながら柚の荷物がある部屋の前に行った。

