「……先輩放してくださいっ……」 腕を剥がそうとすると、今回はあっさり剥がれた。 先輩は…一向に起きる気配がない。 何で俺がこんな目に…… 「…抱き枕…ねぇ……」 静かなこの教室だと、俺の小さな呟きでもはっきりと聞こえる。 正直なところ、別に嫌ではない。 ただ誰にでも心の準備というものが……! いきなり抱きつかれれば、さすがに焦る。 バクバクと早鐘を打っていた心臓もやっと落ち着いた。 と、急にドアから風が入ってきた。 ココ…涼しくて気持ちいい…… ……気付いたら俺も眠っていた。