何となく、いや、直感だろう。 顔を見るな。 そう思い俯いた。 でも、遅かった。 その人影の顔をはっきり見てしまった。 「…なっ…んで……?!」 震える唇から零れるように出た言葉は、自分にも聞こえないほど小さかった。 ドクンッ と心臓が嫌な音をたてた。 ドクンッ…ドクンッ… 心臓が早鐘を打つ。 苦しっ……! 「…ッハァッ……」 うまく…呼吸ができない…… あの時の映像が脳裏にこびりついて消えない。 ――コッチニクルナ