槇さんは何かを考え込んでいるのか、すごく険しい顔をしていた。
そう、例えるなら人でも殺しそうな……
と槇さんの顔をガン見してると、槇さんは意を決したように顔をあげた。
俺は勢いよく目を逸らした。
『観月柚』
「…はい」
『今回倒れたのは……持病の発作だそうだ。……気づくのが遅くて悪かった』
――……はい?
「いや……別に槇さんのせいじゃ……」
持病のこと……ここの医者にでも聞いたのか……
気づくのが遅かったとしても、今まで発作後は普通だったら倒れないけど、気を抜いてたら倒れていた。
今回は気を抜いてた自分のせいであって、槇さんは全く悪くない。
それを槇さんに伝えると、わかりにくいが少しほっとしているようだった。

