途中、放送室のドアをノックする、コンコンという音が何回か聞こえたけれど聞こえないふりをした。

ードアを開けてしまうと今、このときが終わってしまうような気がしたから。

夢なのか現実なのか、
わからなかった。

夢から現実に引き戻されそうな気さえした。

ほわほわとした軽いような重いようなこの空間で私は文章を読み続けた。

…『…これで放送を終わりますっ。』

そして、それ以上原稿の続きはなく、アナウンスの音量を下げ、放送を終えた。

ふと時計を見ると
13時27分を指していた。

『うわあっ‼授業っ‼』
私は汗でびっしょりな額をシャツで拭いながら教室へ急いで向かった。