文章の内容を、1番知りたいのは私だ。多分。
放送室につき時計に目を向ける。
12時58分。
機器のコンセントをさして、電源のボタンを押した。
『えーっと…1階…2階…3階…だけでいっか。』
流す階を聞いていなかった。
そこのところは反省しよう。
急いで準備をする。
鍵を閉める。


…12時59分


…13時00分


ーキーンコーンカーンコーン
『えっ⁈』
こんな時間にチャイムが
なるはずないのに。
どのクラスも授業中なのに。
放送室の外、3年生の教室は騒ついている。当たり前だ。

私は慌ててアナウンスを始めた。
まだ1年の夏休みだ。
こんな長い文章を読むのは初めてだった。
『たっ、ただいま13時になりました。』
これから何が起こるのかわからない沢山の不安が私にのしかかった。
その後、意味のわからない文が続く。
途中躓きながらも大きな声で文章を読み上げた。

ーその読み上げた文章は今になっても意味が理解できないものだった。

『笹木くん、どうして私に…』
そんな想いでいっぱいになり、今まで貯めていた不安と期待で心が苦しくなった。
そして私は読みながら思わず涙を流してしまっていた。