あたしは、カフェに入って、飲み物を注文しても、ずっと俯いてしまっていた。


そんなあたしに、七瀬は、どうしたの?と言った。

「楽しくない?」


そう聞かれたあたしは、思いっきり首を振った。

「そうじゃない!!七瀬とのデートが、楽しくないわけじゃないの…ただ…」

そこまで言ったあたしの目には、涙が浮かび押さえることができず、こぼれ落ちてしまった…

その瞬間、ふわぁっと体が浮いたと思うと、あたたかくて、とても優しいあたしの大好きな温もりを感じた。