「…え？えーっと、なんのこと…？」
カタンとスプーンを置いた光輝は焦るあたしを見てため息をつく。
「…俺があんなこと言ったから？」
「……うん。」
寂しそうな光輝の目に、認めるしかなかった。
ごめん、そんな顔させて…
「ひかるがどんなこと思ってるかわかるけど、別に俺無理強いしないから。
ただ、ゆっくりひかると過ごしたいだけだから。」
違う。違うの。
こんなこと言わせたいんじゃないんだよ。
嫌じゃないのに。
光輝となら、どんなことも嫌じゃないのに…。
「悩ませてごめんな？とりあえずひかるの授業が終わる頃連絡して。一緒に帰ろう。」
「……うん。」
モヤモヤと、心の底にはびこる気持ちが自分でもわからない。
どうしたのひかる。
目を伏せて食べ続けるあたしを、光輝が複雑な目で見ていたのに気づかなかった。
