*お向かい彼氏*






「ごめんなさいっ!」






八田が謝ってきたのはその次の日。





プライドの高いあの八田が、土下座せんばかりの勢いで俺に頭を下げた。







「あたし、ずっとあの子に別れろって言ってきた…

優美が光輝のことまだ好きだって勘違いしてて…。」






え…


八田から告げられたのは、俺が全く知らなかった事実。




迫田は一度、俺に告白してきたことが会った。



断って、そのあとは普通になってたはずだけど…





それをまだ好きだと勘違いして、八田はひかるに圧力をかけてた…







「ひかるちゃんは、あたしが光輝のこと好きだと思ってる。多分、それにこの間のことが重なったから…!」







…あぁ そういうことだったのか。






ひかるは前に一度聞いてきた。




自分と八田は似てるかって。





それを否定したら、すごい嬉しそうな顔して…






そんな2人を…






俺は間違えてしまったんだ。







「謝ってすむ問題じゃないのはわかってるわ。でも…」




「もういい。結局悪いのは俺なんだ。八田のことはきっかけにはなったけど、もうひかるは居ないから…」





天国に行ったわけじゃないけど





もう一生会えない気がする。







俺には、探す権利もない。