「お待たせ~!」
そう言って座敷に上がったアユカちゃんに続くと、中には見知らぬ人が5人いた。
…誤解を招くようだから言い直すと、多分アユカちゃんの友達の女の子が2人。
そして相手側の男が4人…
…なんでそこにいるんですかキミは。
見知った人が、一名いた。
いや、ね、ちょっとさ…
再会、早過ぎない?
もっとこう何年後とかあるでしょうよ…
「…合コンなんか参加してんなよー…」
「ひ…ひかる⁉」
人生に2人しかいない元カレの片方が唯一空いてる席の向かいで目を丸くしてる。
「…久しぶり、元気にしてた?」
なんであたし、こんな頭冷静なんだろ。
K大って聞いたときから嫌な予感してたからかな。
あたし達の間の変な空気に気づいたみんなが怪訝な顔をしてる。
どうしよ、これ。
「…まぁ座れよ。」
メニューを取り出した巧が若干気まずそうにそう言った。
合わせる顔なんか無かったのに。
神様って意地悪だ。

