大学の外
散りかけている桜並木の下を歩いていると
幻覚が見えた。
それは
あたしの方に駆けてくる
かつての親友の姿。
「…ヤバいな、あたし…」
幻覚が見えるほど
頭イカレちゃったのかな。
「…ひ……ッ」
あれ…
あたしの記憶の中の祐希
あんな鬼のような顔してたっけ?
周りの視線なんか気にせずに
え、あれ、めっちゃ近づいて来てるんですけど!?
まさか、あの…
「ひかるぅ~~~ッッ!!」
嘘だろ。
幻のはずだった祐希は
しっかりとあたしを抱きしめていて…
「ゆ、祐希…?」
「ひかる…ひかるだー!!」
涙を流しながら
あたしより背の低い彼女の頭が肩に押し付けられる。
なんか…
デジャヴ。
3年前もこんなことあったような…
でも
どうしよう。
すっごく嬉しい…!!

