タケ兄に手伝ってもらった引っ越し。
帰り際にタケ兄は言った。
「ひかるの大事なやつ、いつか紹介しろよ。」
屈託のない笑顔はどこか光輝に重なってー…
女の子はお父さんに似た人を好きになるっていうけど
あたしの場合はお兄ちゃんだね。
初めての一人暮らしが始まる。
ここであたしは何をしたいんだろう。
祐希達に連絡するつもりはない
あったらそのときはそのときだけど
今更会わせる面がない。
3年かけて出した答えは
やっぱり『好き』だった。
でも、復縁するつもりもないから
ただ、思い出がある場所で
気が済むまで思っていたいだけなんだ。
正直、彼のことを許しているかはわからない。
でも
愛しさが、恋しさだけが
日に日に増えていくばかり